本当に部活動は必要か
私は、宮城県の市立中学校に通う男子中学生である。
私の通う中学校では部活動への所属が義務づけられており、8つの運動部と2つの文化部がある中で、私は家族の勧めというだけの理由で、ある運動部に所属する事になった。後述するが、この選択は間違ってはいなかったように思う。
この記事では、近年のSNSなどで議論になる
「部活動は本当に必要か」
という事について、実際部活動に所属している者からの観点で私の意見を述べることにする。
なお、この記事で言及するのは中学校での部活動である。
部活動は必要か
私個人の意見としては
「部活動は必要ない、あるとしてもその活動は僅かで良い」
と考える。
1 勉強との両立
一つ目に部活動が強制である事の問題点が挙げられる。
生徒に自分の将来を考えてもらうと、その将来像は2つに分かれるだろう。
スポーツ選手として活躍する生徒と、定職に就きごく普通の人間として生きていこうとする生徒。
おそらく1:1ほどの割合で分かれると思うが、前者の方で実際にプロのスポーツ選手として活躍できる生徒は県全体で見てもごく僅かだということは、部活動の意義についての議論が活発に行われる以前から既に世間に膾炙している事柄であろう。
後者の方についてのが長くなるが、現代社会で生きていくに大切なのは、学歴、知識ではないだろうか。
学歴、知識だが、それらは何もせずに身に着くものではない。毎日の勉強の積み重ねであると学校の教員らは口煩く言うが、実際のところ授業が終わった後には約2時間程の部活動があり、ある学校では放課後3時間やる所もあるという。
それを終えて帰宅するのは6時頃で、すぐに夕飯を食べ入浴を済ませなければならない。後者のような将来を見据え勉学に励もうとする生徒にとって部活動は、邪魔な存在なのではないだろうか?
1年生のうちは将来に対する意識が低く、そういった生徒は少ないだろうが、2年生ともなれば、来年に受験を控え現実味を帯びてきた高校生活を前に部活動などで勉強の時間を潰されたくないという生徒は増えてくるだろう。
2日間の休日も、片方が部活で潰れてしまうことも少なくない。(土日どちらかは休みにしなければいけない決まりがあるそうだが、全ての中学校でそれが適用されているかは定かではない)
大会が近くなれば、土日どちらにも練習や練習試合が入り、放課後の部活も強調週間と銘打って毎日3時間程練習をしてから帰宅する。
部活動の成績は学力同様に学校の評判に繋がるので無理もない気がするが、勉強をしたい生徒にとっては良い迷惑である。
これらは運動部の実態であるが、文化部の吹奏楽部についても少しだけ触れる。
3年生の運動部は、6月の中総体と言われる大会で引退となる。
夏に部活を引退し、冬の受験に向け勉強してくれ、ということなのだろうが余りにもなげやりではないだろうか。このなげやりさは校内で行われる期末考察でも同じである。
夏の中総体と期末考査の時期はほぼ被っており、期末考査は中総体(土日開催)が終わった3週間
後である。
強調週間で部活を優先させ勉強など二の次だったのが、中総体が終われば家庭学習強調週間などと今度は真逆の生活を強いられる。
しかも県大会に出場ともなれば勉強そっちのけで考査後の県大会に向け練習しなければならない。
この方針に生徒は振り回されているのが現状であり、多くの生徒が不満を抱いている。
話が逸れたが、吹奏楽部に至っては運動部が6月に引退するのに対して、吹奏楽部は10月の文化祭でのコンサートで引退するので、本格的に受験勉強に打ち込める期間は僅かしかない。
吹奏楽部は運動部以上に勉強との両立が難しいのかもしれない。
実際に吹奏楽部は休日の練習で1日中学校で練習をし、弁当を持参しているのを見かけたことがある。
2 部活動内部の実態
1が長くなってしまったので、2は簡潔にまとめる。
一部の生徒が部活を嫌う理由は上記の理由それだけでは無いと感じる。
よくネット上での議論で、部活は人との関係を築く場だとか、そういった話が見られるが実際部活内部には強い上下関係やいじめが未だに蔓延っており、顧問もそれらを黙認しているのが現状である。
それが原因かどうかは分からないが、ある部では新入生の退部・転部が相次いでいるといった状況だ。それを乗り越えられたとしても、自分たちの代になった時に後輩を前の自分たちのように扱い、負のループが生まれてしまっている。
その他にもその部独自の悪い慣習やルールがあったりするのだから最悪である。
その他にも、生徒間の他の部活に対する偏見も少なくない。
前述したが、私が運動部に入ったのは正解だったように思える。
というのも、私の学校の2つある文化部のうちのひとつである総合文化部(以下総文と呼称)と呼ばれる文化部が行う活動全般を行う部活があり、入学前にはここに所属しようと考えていたのだが、実際に入学してみるとみるみると実態が明らかになってきた。
私の通う中学校ではインテグレーションに近いものを行なっているようで、総合文化部は障害児が所属する部活でもあったのである。
私自身もあまり障害児に寛容ではないのだが、そのせいもあってか、総文は他の部活からも良く思われていないようで、結局のところ吹奏楽部か運動部に入らざるをえなくなり、前述の通り勉強に関する待遇は悪い。
3 本来の部活動のあり方
3では部活動のあり方を考える。
そもそも、部活動というものは学校生活において、オマケ程度で十分であると考える。
学校や教員としては教え子にハイレベルな学校や就職先へ行って欲しいものだろうがその為の貴重な時間を部活動で潰してしまっては元も子もないだろう。
ここで多く出てくるのが、親などが言う
「成長期なので最低限の運動を」
といったものだ。
その最低限の運動を保証するのが体育の授業ではないだろうか?クラスメイト全員が平等に運動の機会が与えらるものだ。
もう一つ出てくるのが、
「このスポーツを一生懸命やってみたい」
という1生徒の意識である。
そう行ったものは、自分が行きうる最終学歴の時にやるべきだろう。高卒を目指すなら、高校で部活をやればいいと考える。
スポーツを第一に考えていないのであればまずは勉強を優先するべきではないだろうか。(もっとも、高校でも勉強と部活の両立というのは必要になると思うが)
さらに、ちょっとこのスポーツをやってみようという軽い気持ちで部活はやるものではないだろうか。
部活の意義は、楽しくやるものであるにも関わらず、本来最優先すべきである勉強の時間さえも削ってまでやるものではないように思う。
少し長くなってしまったが、これでも部活動の過酷な実態のごく僅かである。
近い将来、部活がどうなるかはわからないが少しでも生徒が有意義な時間を過ごせるといいと思う。
さて、明日は部活の練習があるので今日は早く寝ようか。
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